59ROCK DIARY

59からROCKに生きる極楽(59ROCK)人生日記

追悼:藤田宜永

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1月30日に小説家藤田宜永さんが亡くなりました。悲報が届く少し前に、本当に久しぶりに図書館で彼の著作を手に取って借りてきて、さあ読もうと思った矢先でした。虫の知らせでしたでしょうか。デビューからジャンルをつけるとすれば探偵ものミステリー〜冒険小説といった作品を産み出していましたが、それらの作品群が本当に好きで、新作が出るとすかさず読み耽っていました。その時代の代表作が日本推理作家協会賞、日本冒険小説特別賞を受賞した「鋼鉄の騎士」です。単行本で全870ページに及び更に2段組!の超大作。普通なら上下巻分冊となる分量が1冊になったどっしりその重さを感じる本です。

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当時この本1冊だけを抱えて通勤していましたが、ちょっと人目を引きました。何しろこの厚さですから。電車で立って読むのはなかなか難儀しました。その頃は仕事を家に持ち帰ることもなく特に入れるものもないので会社に鞄を持っていかず、本以外はいわゆる手ぶらでした。今でも通勤電車内が最大の読書タイム。本は必携です。新潮ミステリー倶楽部、名作揃いでした。その後恋愛もの中心となり、直木賞も受賞しました。この頃から少しずつ離れていましたが、久しぶりに読んだ本はこれです。

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女系シリーズ第2作「女系の教科書」。これまでの作風とは異なり新たな境地を開いた感じで、物語にぐいぐい引き込まれノンストップで読み終えてしまいました。まだまだシリーズの続きを読みたかったけれどそれは叶わず残念です。後追いですが第1作「女系の総督」を読みます。楽しみです。

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