59ROCK DIARY

59からROCKに生きる極楽(59ROCK)人生日記

奈義町現代美術館(NagiMOCA)

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奈義町現代美術館(Nagi MOCA:ナギモカ)、TV番組で見て行きたいと思ったもののどこにあるのか分からず、調べて何とか今回の旅程に盛り込むことが出来ました。アクセスはなかなかハードルが高く、津山から20km、鳥取方面へレンタカーで向かいます。美術館へ国道を左折するといきなり現れます。柵や塀はなく開放的な立地に特徴的かつ印象的な建築です。

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エントランスを入り施設の説明を聞いて入館です。最初の展示室は「大地」と作品「うつろい」です。水面と敷き詰められた小石の上にワイアのオブジェが、隣り合う陽の光を浴びる開放的空間と室内の閉鎖的空間の中に配置され、連続しているようであり隔離されているようでもあり、観る位置で様々な表情を見せます。

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何かが伝えられ何かへ導かれるような感覚を覚えます。手前の喫茶室からも鑑賞できます。贅沢な空間です。次の展示室は「太陽」、外から見て印象的な円筒形の空間です。入口にこの作品が産まれるまでの解説があります。太陽前室。

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壁には無数の写真が貼られていてポップな空間です。

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黄色く塗られた螺旋階段を登って行くと展示に出ますが、円筒の弧の部分なので思わず平衡感覚が崩れます。

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左右は石庭が点対称に、上下は児童公園が線対象配置され、正面からは陽の光が柔らかく内部を照らします。

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この空間にいると、不安定で浮遊しているような感覚になりますが、一方で何か落ち着きます。螺旋階段を降りると前室に上の展示空間をモニターしている小さなディスプレイがありました。

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最後の常設展示は「月」です。天井が高く白く塗られた壁の一方が円弧を描き、先端の細い部分から光が差し込みます。

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壁にはオブジェが、床は砂地を模して足跡も付いていて(月面?)ベンチが置かれています。

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安らぎを与えてくれる不思議な空間です。3つとも展示空間全体が作品で、その中に没入できる感覚が素晴らしい。

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企画展は、「藤原勇輝展-PYRAMID -」。ピラミッドは小さな金属球(パチンコ玉のようなもの)で作られた作品です。観る位置によって照明が当たる角度で光の反射が変わり、立体物とそこから床に投影される光と影が、様々な表情を見せてくれます。

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此方は壁の頭が丸いビンが規則正しく配置されており、これも観る角度でビンの影が変化し、平面上ではありますが、動きのある作品です。一つだけスペシャルなピンがありました。

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どちらもとても楽しめました。今日が最終日とのことで、鳥取を拠点に活動している作者の作品に、鳥取から移動して来て出会うというのも縁を感じます。

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この美術館は図書館を併設しています。欧米の伝統できるスタイルの天井まで壁一面書架が設けられている本に囲まれていることを意識できる素晴らしい空間の図書館です。こんな施設が住む街にあるなんて羨ましい限りです。満ち足りた気分になり、津山に戻ります。